秩父高校では「つなごう!ちちこう!」をスローガンに地域探究を行っています。
3学年では、教員の専門性を活かした秩高ゼミが開講され、締めくくりとなる一年を歩んでいます。
フォークロアゼミには最多の42名の生徒が所属しています。
この度、7名で構成されるスクバ班が「なぜ、高校生はスクバをデコるのか」を解明すべく校内調査を行いました。
民俗学は、私たちの身近な暮らしのなかにある「あたりまえ」を問い直し、そこに込められた意味や歴史を考える学問です。なぜ、スクールバッグのデコレーションを民俗学のゼミで扱うのでしょうか。
関西学院大学教授・島村恭則氏による説明を以下に引用してみましょう。
民俗学とは、人間(人びと=〈民〉)について、「俗」の観点から研究する学問である。
ここで「俗」とは、
①支配的権力になじまないもの
②啓蒙主義的な合理性では必ずしも割り切れないもの
③「普遍」「主流」「中心」とされる立場にはなじまないもの
④公式的な制度からは距離があるもの
のいずれか、もしくはその組み合わせのことを指します。
島村恭則(2020)『みんなの民俗学』平凡社新書、p.16
高校生を中心にみられるスクールバッグへのデコレーションは、規則に完全に反するわけでも、制度的に承認されているわけでもない「グレーゾーン」に位置しています。生徒はこの曖昧さに「俗」を見出したようです。
考査期間にはスクールバッグではなくリュックで登校する生徒も多く、調査は難航したようでした。
ですが、想定外の状況から見えてくる新たな疑問もあったのではないでしょうか。
民俗学は「足で情報を稼ぐ」学問です。調査へ協力いただけることに感謝し、山も谷も一つ一つ乗り越えていきましょう。
フォークロアゼミでは最終的に調査報告書の刊行を目指しています。
どのような「切り口」で分析が進められていくか楽しみです。
(文責:あざみ)