【国際交流×高大連携】
早稲田大学(所沢キャンパス)見学会を実施しました
実施の経緯:国際交流を通じた連携
今回のキャンパス見学会は、早稲田大学人間科学部の浅田教授より、「シドニーからの高校生受け入れ」を本校で行うことについてご依頼いただいたことがきっかけとなり実現しました。
この「高大連携」のご縁を通じて、本校の生徒たちが大学の専門的な学びに触れ、進路意識を高める貴重な機会をいただくことになりました。
※自然豊かなキャンパス内にて
当日は、大学の学びを多角的に体験できるよう、以下の3部構成で実施されました。それぞれの活動を通して、生徒たちは大学生活への具体的なイメージを膨らませました。
1. キャンパス見学(キャンパスツアー)
現役の早大生の案内のもと、緑あふれる所沢キャンパスを散策しました。
「人と自然の共生」をテーマにしたキャンパスには、シンボルである時計塔(100号館・フロンティアタワー)や、最新の設備を備えたスポーツホール、湿地や保全林などが広がり、生徒たちはその開放感に圧倒されている様子でした。


ガイドの学生からは、施設の説明だけでなく、自然に囲まれた環境での学生生活やサークル活動についてのリアルな話も聞くことができ、大学の「空気感」を肌で感じる貴重な時間となりました。
2. 授業見学(講義体験)





実際に大学で行われている「講義」を見学させていただきました。
今回は「行動医療学(マインドフルネス)」や「家族社会学(LGBTQ等の捉え方)」、「老年学(認知症への理解)」など、現代社会の課題に直結する専門的な講義に参加しました。
高校の授業とは異なり、座席も自由で、教授の話を自ら取捨選択してノートにまとめるスタイルに、生徒たちは「自律的な学び」の重要性を肌で感じたようです。
3. ゼミ見学(教育実践学・模擬授業体験)








浅田教授による「教育実践学」のゼミを見学しました。「人間科学部は単なる教員養成ではなく、人間が生きる営みそのものを科学する」という視点から、高校生にも身近な問いかけや最新データを用いた講義が行われました。
- 「人間科学」って何?:
「なぜ人は化粧をするのか?」「なぜ服を着るのか?」――これらは単なるおしゃれではなく、他者からの評価や自己表現(自己呈示)という人間特有の行動です。身近な行為を科学的に分析する面白さを学びました。 - 「自信」のピークは小学2年生?:
データによると、子どもの自己肯定感は小2頃がピークで、その後低下していく傾向があるそうです。学校での「評価」や「順位付け」が心の成長にどう影響するのか、深い議論がなされました。 - 科学的な授業分析(ウェアラブルカメラ):
教育現場の改善のため、先生がウェアラブルカメラを装着して視線を分析したり、授業中にインカム(イヤホン)を通じてリアルタイムに助言を送る「授業コーチング」など、最先端の教員研修手法を見学しました。 - スマホ時代の「聞く力」:
スマホの普及で「ただ聞こえているだけ」になりがちな現代。真に人を理解して受け入れる「聞く力」が弱まっているのではないかという、これからの社会を生きる私たちへの鋭い問いかけがありました。
生徒たちは、単なる「先生になるための勉強」を超えた、科学的・客観的な人間理解のアプローチに触れ、熱心にメモを取っていました。

★ 参加した生徒の感想(抜粋) ★
- ●「高校と違い、自由席だったり、先生からの指示がなくても自分で考えてメモを取る『自律的な姿勢』が大切だと学びました。」(1年)
- ●「行動医療学や家族社会学の授業を見学し、現代社会の課題(LGBTQや認知症など)を多角的に捉える視点を学びました。専門的な学びの深さに感動しました。」(2年)
- ●「ゼミの話で、自己肯定感についてのデータが印象に残りました。自分も自信を持って勉強に取り組めば、結果が変わるかもしれないと感じました。」(1年)
- ●「マインドフルネスとは『今の自分を極限に高めること』だと知りました。認知症の方への接し方など、優しさが大切だと感じました。」(1年)
- ●「在学生の先輩から『教員免許は取っておいた方がいい』など具体的なアドバイスをもらいました。来年の進路選択に向けて大変参考になりました。」(3年)
- ●「大学生の皆さんが積極的に話しかけてくれたことが嬉しかったです。私も見習って、初めての人とも自分からコミュニケーションを取りたいです。」(1年)
今回の見学を通じて、生徒たちは「大学で学ぶこと」の意義を肌で感じ取ることができたようです。
秩父高校では、今後も生徒一人ひとりの進路実現に向けたサポートを全力で行ってまいります。
関連情報
担当:秩父高校 国際交流担当